くじらをたべよう

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くじらのあいてむ

「ありのままを見て議論してほしい」

鯨を、というか捕鯨を取り巻く情勢はとても複雑で、微妙な状態にあるようです。
だからこそ、関係者の多くは「ありのままを見て議論してほしい」と思うのでしょう。
今日は、そんな願いを感じさせる写真集のご紹介です。

アイキャッチの画像はMSN産経ニュースの記事より借用

あの「ザ・コーブ」のように、凄惨な部分だけを取り上げて、誤った情報と混ぜて映像にすることで、「イルカ漁や捕鯨は残酷なことだ」という印象を与え続ける反捕鯨国や反捕鯨団体などの活動がある中で、捕鯨やイルカ漁のあり方についてどう考え、伝えていくかが、捕鯨やイルカ漁の現場では一つの問題になっているのではないかと思います。
一つは、NHKが数回に渡って放映した太地町のドキュメンタリー作品のように、文化や生活と捕鯨のあり方を伝えていく方法があり、もう一つは、千葉県の和田浦でツチクジラを毎年捕獲している「外房捕鯨(「がいぼうほげい」と読みます。僕は間違って「そとぼうほげい」だと思ってました)」の解剖場のように、解剖の様子を包み隠さず見せるような方法で、生きているものを捕殺し、解体し、そして食べるのだということを実際に見せるということです。

今回紹介する写真集は、その和田浦での解剖の様子をしっかりと写真に収めたもので、捕鯨の現場を知るためのとても貴重な資料になるのではないかと思います。
この写真集の出版に踏み切った横浜の学術出版社、春風社の三浦衛社長の「ほかの生き物を殺して食べることで人間は生きているという事実を見つめ、捕鯨をめぐる議論のたたき台にしてほしい」という言葉にもあるように、僕ら人間の営みとして、何をどのように食べ、どうやって生きていくのかを考えるためにも、捕鯨という狭い枠の中ではなく、多くの人の目に触れて欲しいと思います。

この先、恐らく食べるものに困る時代が来ることでしょう。
そうなった時、あなたは何を食べて生きて行くのでしょうか?
どのように、命を食べていくのでしょうか?