くじらをたべよう

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シロナガスクジラの骨格模型
ばんがいへん

太地町に行ってきた(2)

シロナガスクジラの骨格模型
シロナガスクジラの骨格模型

前回はざっくりと太地町がどんなところかという話を書きましたが、今回はその象徴的な場所でもあるくじらの博物館の話を少し。
写真も幾つか撮ったのですが、下手なので期待しないようにw

今回の訪問では、現地からいろいろツイートしたり、更新したりしたかったのですが、パソコンがネットに接続できる環境が白鯨の一階だけ(しかも先客がいたのでちょっと恥ずかしくなって遠慮したorz)だったり、スマートフォンのバッテリーが常に不足気味だったので、リアルタイムでの状況報告が出来なかったのが反省点ですね。

で、博物館の敷地に入ると、アイキャッチの画像のようなシロナガスクジラの骨格模型などや、様々な展示品、そしてイルカと鯨のショーを堪能することができます。
博物館の中は、本当に鯨づくしで、こういう場所は他にはあまり無いんじゃないかと。

屋外に展示されている捕鯨砲
屋外に展示されている捕鯨砲

勢子船の復元模型
勢子船の復元模型

屋外に展示されている捕鯨砲や、復元された勢子船の模型なども、他ではあまり見られないものです。
鯨類についても、それを捕獲する技術についても、数多くの展示があります。
生物として、産業として、この二つの側面を両立して見せること。
これは多くの人から違和感を持たれるかも知れませんが、その二つの側面を語ってこそ、人と鯨の関わりを知るための場所といえるのではないかと、僕は思います。

ナガスクジラの耳垢栓
ナガスクジラの耳垢栓

マッコウクジラの歯の標本
マッコウクジラの歯の標本

僕の意見に違和感を持つ人や、嫌悪感を抱く人ももちろんいるでしょう。
それは当然のことです。
しかし、その過去があり、今がある。
その連続性を、盲目的に否定することは、結果として正しい評価をできず、感情論をエスカレートさせるだけだと僕は思うんですね。
なぜ、耳垢栓や歯が、ここに展示されているか。
なぜ人は、鯨を知ろうとしたのか。
そこには当然、産業として鯨の存在が必要だったからで、それ故に過去には乱獲もありました。
日本でも、西欧諸国でも、同じようにあったのです。
結果、世界中の海で、鯨の姿を見ることも少なくなってしまいました。
世界中で鯨を救えという声は高まりましたが、鯨を救うために鯨を知ろうとした人はほとんどいなかった。
鯨を救えといった人のほとんどは、鯨という「環境の象徴」を救うことに熱心でも、どうやら鯨という「生き物」を救うことには熱心ではないのでしょう。
現在では、その「象徴としての鯨」を救う声を上げる人がかなり増え、マスコミなどを利用して、広報活動に勤しんでいます。
シー・シェパードも、そういった人たちなのでしょう。
これでは、「生き物としての鯨」はいつか滅んでしまうかも知れません……。

コククジラの骨格標本
コククジラの骨格標本

日本沿岸では、あまり見ることもできなくなった「コククジラ」の骨格標本
コククジラは遊泳速度が遅いために、昔から捕鯨の対象になっていました。
資源管理という概念すらなかった時代のことですから、捕れるぶんだけ捕ってしまったのかもしれません。
いえ、たぶん、そうなのでしょう。
その頃の失敗を繰り返さないためにも、もっと鯨類という生き物全般について、研究をし、より鯨類が棲みやすい環境を作っていくためにも、鯨類の研究は続けなくてはいけません。
鯨類という生き物を「利用する」にも「護る」にも、まずは「知ること」からはじめなければいけないんですよね。
この博物館の様々な展示品は、その貴重な知識の一端でしかないのでしょう。

古式捕鯨の様子
古式捕鯨の様子

これは、古式捕鯨(網掛式・もしくは突捕式)の模型です。
この太地町は、1600年初頭から、このように鯨を捕ってきた地です。
当時は本当に命がけで鯨を追っていた人たちで、この地はとても活気づいたことでしょう。
先ほどの勢子船の写真のように、鯨を捕る船というのは、きらびやかな塗装がされていて、当時の鯨漁に携わった人たちが自分たちの仕事に誇りを持っていたであろうことも感じられます。
僕が博物館に行った時には、「鯨舟:意匠と形」という特別展示も行われていました(あまりに綺麗で写真を撮り忘れた)。
船ごとに自己主張があり、それでもひとつの文脈にそった外装は、この漁が絶妙なチームワークによって行われていたであろうことも想像させます。

鯨のショー
鯨のショー

イルカのショー
イルカのショー

いろいろ考えたら頭が痛くなってきたので、気分を柔らかくしようと思って、イルカや鯨のショーを見ることにしました(時系列的に嘘ですが、多めに見て下さいw)。
こういったショーを否定的に考える人も多いのですが、図鑑や動画ではわからない、イルカや鯨の存在感や、生きたイルカや鯨の姿をじっくりと観察するためには、こういったショーはとてもうまく機能します。
また、ショーの方もこういったことを意識してか、うまく構成されているように思いました。
ただし、写真を撮るのはなかなか難しいです……。
ショーの後では、イルカや鯨に触ったり、一緒に写真もとってもらえたりします(確か200円です)。
ここでびっくりするのは、タッチする前に手と靴を消毒するんです。
ここでは、お客さんよりも、イルカや鯨の方にケアが行き届いているんじゃないかと、そんな風に思えました。はい。

博物館からの風景
博物館からの風景

博物館は海沿いにあって、博物館からの風景は、曇ってなければもっといいのかもしれません。
次に来るときは、晴れているといいなぁ……。

博物館への道
博物館への道

博物館の施設自体はたくさんあると思うのですが、博物館の周辺はこんな感じです(これはアップになりすぎですがw)。
なんかもう、雰囲気は南国っぽいんですよね。寒かったんですが……。

まあ、そんな感じで、楽しんできました。
楽しみながら、色々考えたわけですが、考えながら見ると、色々なものがためになる。
ショーも展示も、見るもの全てがためになる。そんな場所でした。
で、帰りに買ったおみやげも、いろいろとためになるものだったりするわけです(この本、どこにも売ってなかったので……)。
バタバタと写真なんかをお見せしたのですが、こんな感じで続きます……。